窯業系サイディングの裏側はどうなっている?通気層・胴縁・防水シートを職人が解説

外から見ると、住宅の外壁は一枚の壁に見えます。

特に窯業系サイディングのお住まいでは、

「このサイディングが雨を全部防いでいる」

と思われている方も多いかもしれません。

ですが実際の住宅の外壁は、サイディング一枚だけで建物を守っているわけではありません。

サイディングの裏側には、

通気層・胴縁・透湿防水シート

などがあり、それぞれが役割を持っています。

普段はまったく見えない場所です。

そして外壁塗装をしても、基本的には見えないままです。

しかし、サイディングの反りや浮き、雨漏りなどを考えるとき、この**「外壁の裏側の構造」**を知っていることは非常に重要です。

今回は館林市で外壁塗装や外装工事を行う職人の立場から、窯業系サイディングの裏側がどうなっているのか、できるだけ分かりやすく解説します。


サイディングの裏側はどうなっている?

現在一般的な木造住宅の外壁通気構法を簡単にすると、外側から、

窯業系サイディング

通気層

胴縁

透湿防水シート

構造用面材など

柱・断熱材など建物内部

という構成になっています。

※実際の構造や納まりは建築時期・住宅・工法によって異なります。

外から見えているサイディングは、この一番外側です。

つまり私たちが普段見ている外壁のさらに奥に、建物を雨や湿気から守るための仕組みが作られているということです。


サイディングだけで雨水を完全に止める考え方ではありません

ここはぜひ知っていただきたいポイントです。

当然、サイディングやシーリングには雨水の侵入を抑える役割があります。

ですが住宅の外壁は、

「一番外側で雨水を100%止めればいい」

という考えだけで作られているわけではありません。

強い風を伴った雨などでは、外壁材の裏側へ水が回り込む可能性まで考えて外壁が構成されています。

そこで重要になるのが、

サイディングの裏側にある透湿防水シートです。

つまり外壁は、複数の層で建物を守っています。


透湿防水シートって何?

名前を聞くと難しそうですが、

「湿気は外へ逃がしやすく、外から入ろうとする雨水は通しにくくする」

ためのシートです。

サイディングを張る前の新築現場を見ると、建物全体が白っぽいシートで覆われていることがあります。

あれが透湿防水シートです。

このシートは、外壁内部へ入り込もうとする雨水から建物を守る重要な防水層の一つです。

その一方で、壁内部に湿気がこもらないよう、湿気を外側へ排出しやすくする役割も持っています。

だから「防水シート」という名前だけを聞いて、

ビニールのように何も通さないシート

と考えると少し違います。

「透湿」と「防水」。

この二つを両立させることが重要です。


じゃあ「通気層」は何のためにある?

次に重要なのが通気層です。

現在の一般的な外壁通気構法では、サイディングと透湿防水シートの間に空間を作ります。

この空間が通気層です。

外壁の一番下側などから空気が入り、壁の裏側を通り、上部へ抜けていく。

この空気の流れによって、外壁内部に入った湿気などを排出しやすくします。

また、外壁材の裏側へ雨水が回った場合にも、適切な構造であれば下方向へ排水できるように考えられています。

つまり通気層は、

ただの「隙間」ではありません。

建物を長く維持するために、意図的に作られている空間です。


「胴縁」は何をしているの?

ここで出てくるのが、

胴縁(どうぶち)

です。

一般のお客様には、あまり聞き慣れない言葉だと思います。

胴縁は、サイディングの裏側に施工される下地材です。

サイディングを固定する下地になると同時に、サイディングと透湿防水シートとの間に必要な空間を確保する役割もあります。

つまり、

胴縁があることで通気層を作ることができる。

という関係です。

前回のブログで、

「反ったサイディングをビスで固定する場合、どこにビスを効かせるのかが重要」

という話をしました。

ここにも胴縁が関係します。

サイディングの奥側にどんな下地があり、どこで固定できるのか。

これを考えず、

表からとりあえずビスを打てばいい

という話ではありません。


縦張りと横張りでも胴縁の考え方が変わります

ここから少し専門的です。

窯業系サイディングには、大きく分けて、

横張りと縦張り

があります。

横方向に長くサイディングが張られている住宅もあれば、縦方向に張られている住宅もあります。

サイディングの張り方向によって、胴縁の配置や通気を確保するための納まりも変わります。

つまり、

サイディングの裏側は、どんな住宅でも全部同じではありません。

表から見ると同じ窯業系サイディングでも、

張り方。

固定方法。

厚み。

胴縁。

建築された年代。

によって施工方法が違うことがあります。

こういう部分まで考えると、

「サイディングだから全部同じ補修でいい」

とは言えない理由が分かると思います。


サイディングの目地から水が入ったら、すぐ雨漏りする?

これもお客様からすると気になるところだと思います。

例えば目地のシーリングがひび割れている。

すると、

「ここから雨が入ったら、そのまま家の中まで雨漏りするんじゃない?」

と思いますよね。

しかし先ほど説明したように、サイディングの裏側には透湿防水シートなどがあります。

そのため、

シーリングが少し切れた=即室内まで雨漏り

とは限りません。

外壁は複数の防水構造によって建物を守っているからです。

ただし、

「防水シートがあるからシーリングは傷んでいても放置していい」

という意味でもありません。

サイディングの裏側へ必要以上に雨水を入れないことは大切です。

水分の影響を長期間受ければ、サイディングの小口や裏面、下地などに影響が出る可能性があります。

だからシーリングも、外壁を守る重要な部分です。


雨漏りは「サイディングの表面」だけ見ても分からないことがあります

これも外壁の構造を知ると分かりやすくなります。

例えば室内に雨漏りしているからといって、

外から見えるひび割れをコーキングで埋めれば解決

とは限りません。

雨水は建物内部で思わぬ方向へ流れることがあります。

窓まわり。

外壁の取り合い。

配管などの貫通部。

シーリング。

防水シート。

水切りなどの役物。

さまざまな部分が関係します。

そのため雨漏りでは、

「水が出てきた場所」と「水が入った場所」が同じとは限りません。

外壁の構造まで考えて原因を探す必要があります。


サイディングの「直張り」と「通気工法」

築年数が経過した住宅では、もう一つ確認したいことがあります。

それが、

サイディングがどのように施工されているか

です。

現在では外壁通気構法が一般的ですが、古い住宅ではサイディングの裏側に十分な通気層を設けていない、いわゆる直張りの住宅もあります。

この場合、現在一般的な通気構法とは外壁内部の環境が違います。

ここは塗り替えでも重要です。

サイディング表面だけ見れば、

「普通の窯業系サイディングだから塗装できます」

となりそうですが、

裏側がどういう構造になっているかによって、塗装後のリスクまで考える必要があるケースがあります。

特に既存塗膜の膨れや剥がれなどが出ている場合、

「塗料が悪かった」

と決めつける前に、

外壁の構造や湿気の影響まで考える必要があります。


塗装職人でも「裏側」を知っておく必要がある

ここから外壁塗装につながります。

塗装するのは、基本的にはサイディングの表面です。

ですが、

表面しか知らなくていいわけではありません。

なぜ反っているのか。

なぜ浮いているのか。

なぜ同じ場所だけ塗膜が剥がれているのか。

なぜ目地が傷んでいるのか。

なぜ塗膜が膨れているのか。

こうした症状を考えるとき、

サイディングの裏側がどうなっているかという知識が必要になることがあります。

表面だけ見て、

「剥がれているから塗ります」

ではなく、

「なぜここだけ剥がれたんだろう?」

と考える。

そこが重要です。


塗装で「通気層を作る」ことはできません

これも大切です。

塗装はサイディング表面を保護する工事です。

しかし、

もともと通気層がない住宅に塗装しても、新しく通気層ができるわけではありません。

傷んだ透湿防水シートを塗装で直すこともできません。

胴縁の不具合を塗料で直すこともできません。

つまり塗装には、

できることと、できないことがあります。

だからこそ、外壁の状態によっては、

「これは塗装の問題なのか?」

「サイディングそのものの問題なのか?」

「さらに裏側まで考えた方がいいのか?」

を判断する必要があります。


サイディング塗装は「表面をきれいにするだけ」ではない

外壁塗装をすると、当然サイディングはきれいになります。

ですが塗装の本来の役割は、それだけではありません。

サイディング表面を塗膜で保護し、雨や紫外線などの影響を受けにくい状態を維持する。

目地のシーリングも必要に応じてメンテナンスする。

ひび割れや反りなどがあれば、状態を確認して必要な補修をする。

つまり、

外側から余計な水分を入れにくい状態を維持する。

そのうえで、万が一裏側へ水分や湿気が回った場合には、建物側の防水・通気構造が役割を果たします。

表側と裏側。

その両方を理解して初めて、サイディング外壁全体が見えてきます。


館林市でサイディング外壁を塗装するなら

窯業系サイディングのお住まいを塗装するとき、

塗料の種類。

耐久年数。

色。

価格。

もちろん、どれも大切です。

でも私たちは、

「今見えているサイディングの、その奥がどうなっているのか」

ということも知っておく必要があると考えています。

サイディングは何mmくらいなのか。

釘留めなのか金具留めなのか。

反りや浮きはないか。

目地はどうなっているか。

そして、どのような構造で施工されている外壁なのか。

こうしたことを考えながら現地調査をすると、

表面だけを見ていたときには分からなかった劣化の原因が見えてくることがあります。


まとめ|サイディングの裏側を知ると、外壁塗装の見方が変わります

窯業系サイディングの裏側には、

通気層・胴縁・透湿防水シート

など、普段は見えない重要な部分があります。

サイディングが一次的に雨を受ける。

その裏側には通気・排水するための空間がある。

さらに透湿防水シートが建物内部への雨水の侵入を防ぐ。

こうして外壁は、一つではなく複数の仕組みで建物を守っています。

だから外壁塗装でも、

「表面が傷んだから塗る」だけで終わらせない。

なぜ反ったのか。

なぜ浮いたのか。

なぜ剥がれたのか。

その原因を考えるときには、サイディングの裏側まで理解していることが大切です。

塗装で直せるところは、しっかり塗装で守る。

補修が必要なら補修する。

そして塗装では直せない問題があるなら、それもきちんと見極める。

小林塗装では、「塗れるかどうか」だけではなく、その塗装が建物にとって適切なのかまで考えて施工することを大切にしています。

館林市でサイディング外壁の塗装をご検討されている方には、

普段見えている外壁の、その裏側にも建物を守っている大切な仕組みがある。

ということを、ぜひ知っていただければと思います。

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