「前回の塗装って良かったんでしょうか?」
現地調査をしていると、お客様からこのようなご質問をいただくことがあります。
実際に塗装工事をしたのは10年前、15年前。
「きれいに仕上がっていたし、問題なかったと思う。」
そう思われている方も少なくありません。
もちろん、それは決して間違いではありません。
しかし私たち職人は、現地調査で建物を見ると、前回どんな工事が行われたのかがある程度分かります。
「下地処理をしっかり行ったのか。」
「適切な下塗り材を使ったのか。」
「建物の状態に合わせて施工したのか。」
完成して何年も経った外壁には、その答えが残っています。
今回は20年以上、数多くの住宅を塗り替えてきた経験から、「職人が現場で見ているポイント」をお話しします。
私たちは最初に「前回の工事」を見ています
現地調査というと、
「今どれくらい傷んでいるかを見る。」
そう思われる方が多いと思います。
もちろん現在の劣化状況も確認します。
しかし実際には、
今の劣化よりも先に、前回どんな施工がされていたかを見ることが多いです。
なぜなら、
建物は嘘をつかないからです。
10年以上経った塗膜を見ると、
その施工が丁寧だったのか、
建物に合った施工だったのか、
ある程度分かることがあります。
「長持ちする家」には共通点があります
20年以上現場に立っていて感じるのは、
長持ちする家には共通点があるということです。
それは、
高い塗料を使っていることではありません。
実は、
前回の工事が建物に合った施工だったこと。
これが一番大きいと感じています。
例えば、
下塗り材が外壁に合っている。
劣化に合わせて補修が行われている。
塗膜に十分な厚みがある。
こうした住宅は、
10年以上経っても塗膜がしっかり残っていることがあります。
反対に、
高級な塗料を使っていても、
下地処理が不十分だったり、
外壁に合わない施工をしていた場合は、
思ったより早く劣化してしまうこともあります。
職人が「いい工事だった」と思う瞬間
現場では、
「この家は前回の職人さんが丁寧に施工したんだな。」
と思うことがあります。
例えば、
塗膜が均一に残っている。
色あせはしていても、剥がれがほとんどない。
補修した部分が自然に仕上がっている。
必要以上に傷んでいない。
こういう建物を見ると、
「きちんと下地から施工したんだな。」
と感じます。
同じ職人として、
「いい仕事をしていますね。」
と思う瞬間でもあります。
逆に「もったいない」と感じることもあります
もちろん反対のケースもあります。
例えば、
築年数のわりに剥がれが多い。
塗膜が浮いている。
部分的に密着していない。
こうした建物を見ると、
塗料が悪いというより、
施工方法が建物に合っていなかった可能性があります。
もちろん実際の施工を見たわけではありません。
だから断定はできません。
しかし、
長年現場を見ていると、
塗膜の状態から分かることも少なくありません。
「塗料が良い」だけでは長持ちしません
最近では、
無機塗料やフッ素塗料など、
高耐久塗料が人気です。
もちろん良い塗料です。
しかし、
私たちが現場で感じるのは、
どんなに高性能な塗料でも、施工が建物に合っていなければ本来の性能は発揮できない。
ということです。
逆に、
建物の状態に合わせて丁寧に施工された住宅は、
シリコン塗料でも長持ちしていることがあります。
だから私たちは、
塗料だけではなく、
建物の状態を最も大切にしています。
私たちは「前回より良い工事」を目指しています
現地調査では、
前回の施工を否定することはありません。
その当時は最善の方法だったかもしれません。
しかし、
塗料も進化しています。
施工方法も変わっています。
だから私たちは、
「前回より少しでも長持ちする工事をしよう。」
という気持ちで現場に向き合っています。
そのためには、
まず前回の施工を知ることが大切です。
建物を見れば、
そのヒントは必ずあります。
職人として思うこと
20年以上現場で仕事をしてきましたが、
本当に長持ちする塗装は、
派手な塗料や特別な工法ではありません。
建物をしっかり診断し、
その家に合った施工をすること。
そして、
見えなくなる下地処理や下塗りを丁寧に行うこと。
この積み重ねが、
10年後、15年後に大きな差となって表れます。
だから私は現地調査で、
現在の傷みだけではなく、
「前回どんな工事がされていたのか」
を大切に見ています。
まとめ|建物は前回の工事を覚えています
現地調査では、
今の傷みだけを見ているわけではありません。
私たちは、
前回どんな施工が行われたのか、
そして次はどんな施工がその家に必要なのかを考えながら建物を見ています。
同じ築年数でも、
同じ塗料でも、
住宅によって状態が違うのは、
過去の施工や建物の環境が違うからです。
だからこそ小林塗装では、
「決まった工事」をご提案するのではなく、
一軒一軒のお住まいに合わせた施工方法をご提案しています。
