「外壁の継ぎ目が少し浮いて見える」
「サイディングが反っている気がする」
「ビスで押さえれば直るんじゃないの?」
窯業系サイディングのお住まいを調査していると、このような状態を見ることがあります。
サイディングの「反り」は、色あせやチョーキングのような塗膜だけの話ではありません。
私たちが反りを見つけたときは、
サイディングの厚みはどのくらいか。
釘留めなのか、金具留めなのか。
どこから反っているのか。
固定部分はどうなっているのか。
小口や目地周辺に水分の影響が出ていないか。
ここまで見ていきます。
今回は館林市でサイディング外壁のお住まいに住んでいる方に向けて、少し専門的に「サイディングの反り」について解説します。
そもそも窯業系サイディングは「全部同じ板」ではありません
一般のお客様からすると、
「サイディングはサイディングでしょ?」
と思われるかもしれません。
しかし実際には、サイディングにもさまざまな違いがあります。
メーカー。
製造された年代。
商品の種類。
厚み。
表面の柄。
固定方法。
施工方法。
こうした違いがあります。
特に私たちが現地で確認したいのが、
サイディングの厚みと固定方法です。
昔のサイディングと現在のサイディングでは「厚み」が違うことがあります
築年数が経過した住宅では、現在の商品より薄い窯業系サイディングが施工されていることがあります。
現在でもメーカーや商品によって仕様は異なりますが、14mm、15mm、16mm、18mmなど、さまざまな厚みの窯業系サイディングがあります。
そして厚みは、単純に
「厚い方が高級」
という話ではありません。
重要なのは、厚みによって固定方法や納まりが変わることです。
例えば現在のサイディングでは、厚みによって釘留めと金具留めの仕様が分けられている商品があります。
そのため私たちは古い住宅を見るときも、
「サイディングだから全部同じ」
とは考えません。
どんなサイディングが、どんな方法で取り付けられているのか。
ここから見ていきます。
「釘留め」と「金具留め」は何が違う?
窯業系サイディングには、大きく見るとサイディング表面から釘で固定する施工と、専用金具を使用して固定する施工があります。
古い住宅や薄いサイディングでは、表面を見ると釘頭が確認できることがあります。
一方、金具留めの場合は、サイディングの裏側に近い部分で専用金具を使って固定するため、一般部分では表面に釘頭が出にくい施工になります。
ここが反りを見るときにも重要です。
例えば釘留めのサイディングが反っていた場合、
釘の固定部分を支点にして板の端が浮いている
ようなケースがあります。
また、釘周辺にひび割れが出ていることもあります。
反対に金具留めだから絶対に反らないということでもありません。
サイディング本体の状態、施工状態、水分の影響など、さまざまな要因を確認する必要があります。
なぜサイディングは水分で反ることがあるの?
ここから少し専門的な話です。
窯業系サイディングは、セメント質原料や繊維質原料などから作られた外壁材です。
現在の製品は寸法安定性なども考えて製造されています。
しかし、外壁材ですから長期間屋外で使用されます。
雨。
湿気。
紫外線。
夏の高温。
冬の低温。
こうした環境に毎日さらされています。
そしてサイディングが過剰に水分の影響を受ければ、膨張や収縮などの寸法変化が起こることがあります。
ここでポイントになるのが、
「サイディング全体が同じ条件で濡れて、同じ条件で乾くとは限らない」
ということです。
表面。
裏面。
小口。
目地周辺。
窓まわり。
それぞれ水分の影響が違います。
その差が大きくなれば、板に力がかかり、反りや変形として現れる場合があります。
サイディング職人が気にする「小口」
サイディングの反りを考えるうえで、ぜひ知っていただきたい言葉があります。
それが、
「小口(こぐち)」です。
簡単にいうと、サイディングを切断したときに出る板の断面部分です。
サイディング施工では、
窓まわり。
軒下。
土台付近。
取り合い。
切断して納める場所。
など、さまざまな場所に小口ができます。
サイディングの表面には工場で塗装が施されていますが、切断した小口は表面とは条件が違います。
そのため施工時には、商品や仕様に応じた小口処理が重要になります。
反りや傷みを確認するときに、
「表面の塗装が傷んでいるか」だけを見ていては不十分
なのはこのためです。
職人はサイディングの端部や取り合いも見ています。
実はサイディングの裏には「通気層」があります
これも一般のお客様にはあまり見えない部分です。
現在の木造住宅では、外壁のサイディングの裏側に通気層を設ける外壁通気構法が一般的です。
イメージとしては、
サイディング
↓
通気層
↓
透湿防水シート
↓
建物側
という構造です。
サイディングの裏側に空気が通る空間を作り、壁内部の湿気などを外へ排出しやすくします。
そのため、サイディングを見たときに重要なのは表側だけではありません。
雨水が入りにくい納まりになっているか。
万が一入った水を排出できる構造になっているか。
裏側の通気を邪魔していないか。
こうした外壁全体の仕組みがあります。
「反っているからビスを打つ」が正解とは限りません
ここはかなり重要です。
反っているサイディングを見ると、
「ビスで押さえれば直るでしょ?」
と思うかもしれません。
確かに、軽度の反りでサイディング自体に十分な強度が残っていれば、状態を確認したうえで再固定できる場合があります。
しかし、
何でもビスで押さえればいいわけではありません。
特に築年数が経過した薄いサイディングでは注意が必要です。
無理に押し込めば、
サイディングが割れる。
ビス周辺からクラックが入る。
表面が欠ける。
といったことも考えられます。
さらに重要なのが、
「ビスをどこへ効かせるのか」
です。
サイディングだけにビスを打っても、適切な固定にはなりません。
その奥にある胴縁や下地の位置などを考え、固定できる場所へ効かせる必要があります。
だから私たちは、
反り=とりあえずビス
とは考えません。
厚みの違いは「反りやすさ」だけでは語れません
ここも誤解してほしくないところです。
「じゃあ薄いサイディングは全部ダメなの?」
というと、そういう話ではありません。
反りや変形は、
サイディングの厚みだけで決まるものではないからです。
商品の性能。
製造方法。
固定方法。
下地。
施工状態。
水分。
経年劣化。
建物の動き。
さまざまな条件が関係します。
ただ、築年数の経過した住宅で薄いサイディングを見る場合、
現在の厚物サイディングとまったく同じ感覚で補修しない
ことは大切です。
今ある外壁材がどの程度の厚みで、どんな方法で固定され、現在どの程度強度が残っているのか。
それを見ながら補修方法を考えます。
釘まわりのひび割れにも理由があります
サイディングをよく見ると、釘の周辺から小さなひび割れが入っていることがあります。
これも、
「表面にちょっとヒビがあるだけ」
で終わらせない方がいい部分です。
釘はサイディングを固定している場所です。
その周辺にひび割れが出ているのであれば、
サイディングの動き。
固定状態。
端から釘までの位置。
経年による基材の状態。
なども確認したいところです。
特にサイディングの端部付近では、割れ方を見ながら状態を判断します。
反りを見るときは「一枚」ではなく周囲を見る
例えば、一枚だけサイディングが反っているとします。
そこでその一枚だけを見て終わりにはしません。
上の板はどうか。
下の板はどうか。
隣の板はどうか。
同じ高さで反っているところはないか。
日当たりの強い面だけなのか。
水が当たりやすい場所なのか。
窓の下なのか。
目地周辺なのか。
こうして周囲を見ることで、
その一枚だけの問題なのか、外壁全体に共通する原因があるのか
を考えます。
ここが現地調査では非常に重要です。
サイディングは「表面材」だけで家を守っているわけではありません
サイディングの話をすると、
どうしても外から見える板だけに目が行きます。
しかし住宅の外壁は、
サイディング。
目地。
留め付け金具や釘。
胴縁。
通気層。
透湿防水シート。
こうしたものが組み合わさって機能しています。
つまり、
サイディング一枚だけを見て外壁全体を判断することはできません。
だから反りを見つけたときも、
「塗れば大丈夫」
「ビスを打てば大丈夫」
と簡単には判断しない。
なぜ反っているのか。
どんなサイディングなのか。
どう固定されているのか。
周囲はどうなっているのか。
そこまで確認することが大切です。
館林市でサイディング外壁を点検するときに見てほしいところ
ご自宅が窯業系サイディングなら、一度外壁を正面だけではなく斜めから見てみてください。
ボードの端だけ出ていないか。
縦目地部分に段差がないか。
釘周辺にひび割れがないか。
窓まわりに割れがないか。
一部分だけ影が不自然に出ていないか。
こうしたところを見ると、サイディングの変化に気付くことがあります。
そして反りが見つかったからといって、
すぐに張り替えが必要とも、塗装だけで大丈夫とも限りません。
重要なのは、
今付いているサイディングを理解してから判断することです。
まとめ|サイディングの反りは「板の厚み・固定・水分」まで考える
窯業系サイディングの反りを見るとき、職人が確認するのは見た目だけではありません。
サイディングの厚み。
釘留めなのか金具留めなのか。
どこで固定されているのか。
小口の状態。
目地。
ひび割れ。
水分の影響。
そして周囲のサイディング。
こうした部分を総合的に確認します。
同じ「サイディング」という名前でも、築年数や商品によって厚みも施工方法も違います。
だから小林塗装では、
「サイディングだから、この方法」
と一括りにするのではなく、
今その家に付いているサイディングがどういう外壁なのかを見てから、補修や塗装方法を考えることを大切にしています。
サイディングの反りは、単なる見た目の問題ではありません。
その外壁がこれまでどんな環境にさらされ、どんな状態になっているのかを教えてくれるサインの一つです。
館林市でサイディング外壁の塗装やメンテナンスをご検討されている方は、
「何色に塗るか」
「どの塗料を使うか」
だけでなく、
「うちのサイディングは何mmくらいで、どうやって固定されている外壁なのか?」
そんなところまで一度確認してみると、ご自宅の外壁をもっと深く知ることができます。
