「外壁塗装は、どんな塗料を使うかが一番大切なんですよね?」
館林市で現地調査をしていると、このようなご質問をいただくことがあります。
確かに、シリコン・ラジカル・フッ素・無機など、仕上げ塗料にはさまざまな種類があり、耐久性や価格も異なります。
ですが、20年以上現場で仕事をしてきた職人としてお伝えしたいのは、
塗装工事は「どんな塗料を使うか」だけでは決まらない。
ということです。
実は、塗装工事で最も重要なのは、完成すると見えなくなってしまう「塗る前」の工程です。
高圧洗浄。
ケレン作業。
ひび割れ補修。
そして下塗り。
この工程をどれだけ丁寧に行うかで、塗装の寿命は大きく変わります。
今回は、私たち職人がなぜ「塗る前」に一番時間をかけるのか、その理由をお話しします。
私たちが一番時間をかけるのは、実は「塗る前」です
外壁塗装というと、ローラーで色を塗っている場面を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし実際の現場で、私たち職人が一番時間をかけているのは、塗る前の準備です。
高圧洗浄で長年の汚れや古い塗膜を落とす。
ひび割れを補修する。
ケレン作業で塗料が密着しやすい状態をつくる。
そして建物の状態を見極めながら、その家に最適な下塗り材を選ぶ。
こうした準備が終わって初めて、仕上げ塗装に入ります。
「塗るだけならもっと早く終わるのでは?」
そう思われるかもしれません。
ですが私たちは、
塗ることよりも、塗れる状態をつくることの方が大切だと考えています。
どんな高性能な塗料も、下地には勝てません
最近では、
シリコン。
ラジカル。
フッ素。
無機。
耐久性の高い塗料がたくさんあります。
もちろん、塗料選びはとても重要です。
しかし20年以上現場で仕事をしてきて強く感じるのは、
どれだけ高性能な塗料でも、傷んだ下地の上では本来の性能を発揮できない。
ということです。
例えば、
・汚れが残ったまま塗装する。
・古い塗膜が浮いたまま塗装する。
・劣化した屋根や外壁が塗料をどんどん吸い込む状態で施工する。
このような状態では、高価な無機塗料を使ったとしても、期待される耐久性を発揮することはできません。
だから私たちは、
「何を塗るか」より先に、「どんな状態にしてから塗るか」
を何より大切にしています。
高圧洗浄は「掃除」ではありません
塗装前には必ず高圧洗浄を行います。
「外壁をきれいにするためですよね?」
そう思われることが多いですが、本当の目的は違います。
長年付着したコケや藻。
チョーキングの粉。
密着力が落ちた古い塗膜。
これらをしっかり取り除き、
塗料が密着できる下地をつくること。
これが高圧洗浄の本当の役割です。
そして実は、
高圧洗浄をしたあとだからこそ分かる劣化があります。
洗浄後に初めて分かる劣化があります
現地調査では、建物全体を細かく確認します。
しかし外壁や屋根は、長年の汚れやコケで覆われています。
そのため、高圧洗浄をすると、
「ここまで塗膜が傷んでいたんだ。」
「屋根が想像以上に塗料を吸い込む状態だった。」
ということが初めて分かることがあります。
特に館林市は夏の紫外線が非常に強く、屋根は外壁以上に傷んでいることも少なくありません。
だから私たちは、
洗浄後にも改めて建物の状態を確認し、
その家に本当に必要な施工方法をもう一度考えます。
ケレン作業は「鉄部だけ」ではありません
「ケレン」と聞くと、
鉄部のサビを落とす作業を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、
鉄骨階段やシャッターボックス、水切りなどの鉄部では、サビや古い塗膜を除去するためにケレン作業は欠かせません。
しかし実は、
ケレンが必要なのは鉄部だけではありません。
例えば、
・雨樋
・エアコンのスリムダクト
・塩ビ製の付帯部
・樹脂製の部材
これらも塗装前には必ずケレン作業を行います。
塩ビ素材は表面が非常になめらかです。
そのまま塗装すると、一見きれいに仕上がっても、塗料が密着しにくく、数年後に剥がれの原因になることがあります。
そのため私たちは、表面に細かな傷を付ける「目粗し」という作業を行い、塗料がしっかり密着する状態をつくっています。
つまりケレンとは、
サビを落とす作業ではありません。
塗料が長持ちするための下地をつくる作業なのです。
ケレンにも種類があります
実は、一言でケレンと言っても目的はすべて同じではありません。
例えば、
鉄部ではサビや古い塗膜を除去するためのケレン。
雨樋やスリムダクトなどの塩ビ部材では、密着性を高めるための目粗し。
劣化した旧塗膜には、弱くなった塗膜を除去するケレン。
素材や状態によって、やるべき作業は変わります。
だから私たちは、
**「ケレンをする」ではなく、「その素材に合ったケレンをする」**ことを大切にしています。
実は下塗りにも「グレード」があります
仕上げ塗料には、
シリコン。
ラジカル。
フッ素。
無機。
このようなグレードがあります。
ですが、
実は下塗り材にもグレードや種類があります。
例えば、
・劣化が少ない外壁に適した下塗り材
・吸い込みが激しい外壁を補強する下塗り材
・密着性を高める高性能下塗り材
・難付着の外壁に対応した専用下塗り材
など、
建物の状態に合わせて使い分けています。
つまり、
どの家にも同じ下塗り材を使うわけではありません。
私たちは、
上塗り塗料だけではなく、
下塗り材まで含めて塗装工事だと考えています。
3回塗りで十分な家もあれば、4回塗りが必要な家もあります
最近では、
「4回塗りだから安心。」
という広告を見かけます。
ですが私たちは、
塗り回数だけで工事の良し悪しは決まらないと考えています。
例えば、
洗浄後に屋根の吸い込みが非常に激しかった。
外壁の劣化が予想以上だった。
そのような場合は、
通常の下塗り一回では十分な塗膜を形成できないことがあります。
その時は、
下塗りを追加したり、
下塗り材を変更したり、
建物の状態に合わせて施工方法を変更します。
つまり、
「4回塗りだから良い工事」ではありません。
「その家に必要だから4回塗りになる。」
これが私たちの考え方です。
必要な工程は増やします。でも追加料金はいただきません
高圧洗浄後、
現地調査では分からなかった劣化が見つかることがあります。
その場合、
私たちは建物を長持ちさせるために必要な施工を優先します。
下塗りを追加する。
下塗り材を変更する。
施工方法を見直す。
もちろん、
材料も増えます。
作業時間も増えます。
ですが、
そのことを理由に追加料金をいただくことはありません。
なぜなら、
建物を長持ちさせるために必要な施工だからです。
私たちは、
予定通り工事を終わらせることよりも、
10年後も安心して暮らせる塗装をすることを大切にしています。
【小林塗装の考え方】
私たちは、
塗料を売っている会社ではありません。
建物を長持ちさせる施工を提供する職人です。
だから、
見積書通りに工事を終わらせることではなく、
その建物に本当に必要な施工をすることを大切にしています。
完成すると見えなくなる下地処理。
建物の状態に合わせた下塗り材の選定。
そして洗浄後に分かる本当の劣化。
こうした「見えない部分」にどれだけこだわれるかが、10年後、15年後の耐久性を左右すると私たちは考えています。
まとめ|長持ちする塗装は「塗る前」で決まります
塗装工事というと、
シリコン・ラジカル・フッ素・無機など、仕上げ塗料ばかりに目が向きがちです。
もちろん、それらを選ぶことも大切です。
しかし、本当に長持ちする塗装を実現するためには、
高圧洗浄。
素材に合わせたケレン作業。
丁寧な下地処理。
建物の状態に合わせた下塗り材の選定。
そして必要に応じて施工方法を見直す判断。
こうした**「塗る前」の工程**が欠かせません。
小林塗装では、一軒一軒のお住まいをしっかり診断し、その建物に最適な施工をご提案しています。
「何を塗るか」ではなく、「塗る前に何をするか」。
それこそが、20年以上現場に立ち続けてきた私たちが、一番大切にしている職人としてのこだわりです。
